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2022.03.25

断熱だけでは不十分?重要な気密性能(C値)の話

断熱だけでは不十分?重要な気密性能(C値)の話

暖かく家にするためにはまずは断熱性能が必要です。
そしてその断熱性能が高ければ、暖かくて快適な家になるのでしょうか?


実はそれだけでは不十分で、重要なのは気密性能です。
イメージとしては、どれほど暖かい材質のコートでも、穴が開いていてそこから風が吹き込んだら寒く感じてしまう・・・といったところでしょうか。

建物の気密の性能は相当すき間面積(C値)を見ることによって確認することができます。
C値とは、家全体のすき間の面積を延べ床面積で割った数値で、その建物の気密性能の指標となります。
UA値などは図面段階から使う建材の性能から計算によって求められますが、C値の場合は実際に建物に気密測定試験機を持ち込み、現場で気密測定を行います。

C値は数値が小さいほど気密性能が高くなり、つまりC値がA家0.3とB家0.5だとすれば、A家のほうがより気密性能が高いといえます。

実際の気密測定

優プランでは全棟で気密測定を実施して、お引渡し時に報告書をお渡ししています。

これまで、ZHEや長期優良住宅などの認定住宅でもUA値の基準はあるもののC値に関しては触れられてもいません。
つまり重要な数値ではないのでしょうか?

それは大きな間違いで、気密はとても重要です。
それではこのC値が建物にどのような影響があるのでしょうか?



まず1つ目は高断熱の建材で施工しても室内の温度が一定にならず、さらにすき間風によって肌寒さを感じてしまいます。
先ほどもお話ししたように断熱性能だけよくても暖かい家にはならないのです。
もちろん光熱費にも影響を与えますので、省エネを考えるうえで大切な要素です。

2つ目に計画通りに家の換気が行えません。
現在新築住宅では24時間の計画的な換気が義務付けられています。
一般的には第一種換気システムまたは第三種換気システムといった換気ユニットを設置して、2時間に1回の割合で家の中の空気が入れ替わるようにしています。

これは新鮮な空気の取り入れ口(給気口)から入った空気が汚れた空気の排出口(排気口)へ流れていく、というサイクルを繰り返すことで家の中の空気をきれいに保っているのですが、そこにすき間があることによってすき間から入る空気を吸い上げてしまうことにより本来の給気口からの空気の流れが停滞してしまうのです。
そのせいで室内の一部は空気が動かなくなってしまうため、汚れた空気や臭い・湿気などがこもってしまい結露やカビの発生の原因になり室内環境の悪化だけでなく、腐りなど建物まで影響が出てしまう原因になります。

つまり、快適な家づくりには断熱だけでなく気密も欠かせないものとなっています。
特にUA値・C値に関しては数値として明確にすることができますから、一生に一度の家づくりを任せる前にきちんと確認しておくことをおすすめします。
暖かくて快適な住環境は断熱性・気密性・計画換気・計画的な冷暖房などのバランスの上に成り立っているため、何かが突出して秀でていたとしても何かの要素が抜けていることでデメリットになってしまうこともあるため注意が必要です。

大切なことは暖かくて快適な空間を創造するための仕組みを理解しつつ家づくりを進めることです。
そのためにも家の性能の基本部分となる高気密・高断熱の仕組みを知っていただければと思いますので、気になる点は何でもご相談ください。